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新任教員紹介 戸田満秋 准教授 『Flying Biomaterialist』

2018.6.1

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戸田_対外用戸田 満秋 准教授

学位など:博士(工学)
専門分野:バイオマテリアル・生体材料学、生体・材料界面相互作用、血管内治療用デバイス

略歴
2000年 京都大学工学部工業化学科卒業、2002年 京都大学大学院工学研究科高分子化学専攻修士課程修了後、 財団法人京都高度技術研究所 研究員を務め、2010年 京都大学博士(工学)を取得。同年 京都大学再生医科学研究所 研究員、2015年 京都大学再生医科学研究所 特定研究員を経て、2018年より本学准教授

 

『Flying Biomaterialist』

DSC_7219私はもともと「化学」を学ぶ学生でした。そんな大学2年の冬、私の父に癌が見つかりました。
頸椎にまず見つかり、治療を行うも原発が膵臓であることが判明したときには手の施しようはなく、結局翌年の4月に父親は永眠しました。

何とか学業を継続させてもらえた私は、最も医療現場に近い研究ができると思い京都大学再生医科学研究所の岩田博夫先生の研究室を希望しましたが、当時の自分にとって当該分野は全く今までの勉強内容が通用しないことが分かりました。
あがきつつも大学院に進学しましたが、大学院での私は今振り返っても研究者の卵としては出来が悪く暗惨たる日々でした。
かろうじて修士課程だけは修了しましたが、あまりの惨状に研究者になる道も就職の道も一度は放り出しました。

ただ、当時の研究室には比較的余裕があり、「人手が足りないから」という指導教官の恩情に補助員として研究室に舞い戻りました。
様々な研究・事業をお手伝いしつつ、以後界面現象の追跡とその知見の応用が私の研究の大部分を占めるようになりました。
それがバイオマーカーの高感度検出と装置小型化、医療用機器のデバイス開発や医師との共同研究につながり、今に至っています。

色々なことに関わってきましたが、強引にこじつければ研究もそれ以外の活動も「界面」に関わってきたのだと思っています。
生体と材料との界面、医学と工学との界面、大学と社会との界面、そして社会人と学生の界面。
縁あって本学で教鞭をとることとなりました。医用材料と医療安全の「界面」に新たな智慧を見出し、社会がより良きものになるよう貢献していきたいと思う次第です。