コミュニケーションが困難な発達障害のある人における 医療参加の困難性 ヒューマンインタフェース学会研究報告集, 25(3), 133-138. この研究は音声言語でコミュニケーションが困難な人はどうやって5分程度の医療面接場面で自身のニーズを伝えているのだろうか、という疑問から始まった研究です。 コミュニケーションが苦手だという自覚のある発達障害のある方9名にインタビューをさせていただいた結果をまとめています。結論から言うと、9名のうちの多くの方が最初は「なんとかして欲しい」と思って医療機関に行くのですが、時間制約がある中で自分の言いたいことが言えない→伝えられたとしても、生得的な認知特性は変えられないとわかり、医療に期待しなくなってゆく→ただ、自分の抱えている二次障害(うつ状態や不安)は薬で緩和されることがわかる→社会生活のための二次障害の軽減を期待して医療を利用する という傾向があることがわかりました。 また、今回の発表では取り上げませんでしたが、福祉を使うためには医療的診断が必要だから医療とつながっておく必要があるというスタンスの方が多く、このあたりもハードルがあるなということがわかりました。
本学の岡耕平准教授と修了生の山口砂織さんの共同研究の成果が第200回ヒューマンインタフェース学会研究会で発表されました。
2023.6.3
ニュース