本学在学生の松本真弓さん(13期生)が 2024年5月30日(木)~6月1日(土)に開催された第72回日本輸血・細胞治療学会学術総会において、優秀演題賞とベストプレゼンテーション賞の2つを受賞しました。
受賞した演題と要旨は以下です。
演題名
「医療施設におけるヘモビジランス体制向上のための実態調査」 日本輸血細胞治療学会誌 70 (2) : 288, 2024.
要旨
本研究は、全国の病床数200床以上の医療機関1791施設を対象に、輸血実施時の患者観察方法の実態を調査し、日本における輸血副作用に対する監視体制(ヘモビジランス)向上の課題を明らかにした。調査の結果、厚労省の「輸血療法の実施に関する指針」で必須とされている体温、血圧、脈拍の観察を実施している施設は9割を超えていた。一方で、呼吸数の観察を実施している施設は3割と低いことが判明した。呼吸数の観察は重篤な輸血副作用である輸血関連循環過負荷(TACO:Transfusion-associated circulatory overload)の発見や診断にとって重要であり、近年、アメリカ食品医薬品局(FDA : U.S. Food and Drug Administration)では、TACOが輸血関連死亡事故の主な原因であることが報告されている。日本赤十字社の調査では、日本はTACOによる死亡報告は無いがTACOの発生について、医療施設から十分な情報が得られていない可能性を指摘した。そのため、輸血実施時の患者観察には、呼吸数の観察を含めていくことが望まれると報告した。
受賞に対する松本さんのコメント
この度は、優秀演題賞とベストプレゼンテーション賞の2つを受賞することができました。これもひとえに、岡先生のご指導のおかげです。ゼミにおいて、抄録やスライド作成、また発表の練習に至るまで、数々の助言をいただいたことが、今回の成果に繋がりました。学会発表での演題は修士論文の研究に関連する輸血医療の安全管理をテーマにしたものでした。今後も一層の精進を重ね、さらなる成果を目指して努力してまいります。本当にありがとうございました。