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新任教員紹介 平河勝美 教授 『語るということの医療安全への応用を』

2018.6.1

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平河先生平河 勝美 教授

学位など:博士(学術)
専門分野:看護教育学

略歴

1982年京都市立看護短期大学卒業、1992年聖路加看護大学(編入学課程)卒業、1997年神戸大学大学院教育学研究科修士課程修了(教育学修士)、2007年神戸大学大学院総合人間科学研究科博士後期課程修了(博士(学術))。
1993年兵庫県立看護大学助手、1997年大阪大学医学部保健学科講師、2001年神戸市看護大学助教授、2007年滋賀県立大学人間看護学部教授、2010年京都市看護短期大学教授、2013年京都市衛生環境研究所管理課担当課長、2018年本学教授

『語るということの医療安全への応用を』

DSC_7183私はかつて教育学研究科修士課程に進学し、生涯学習論や成人教育論に出会いました。
これらの議論では、人びとの日常や経験に根ざした偶発的で個別な「知」が、科学的に系統立てられ学校で教育される客観的な「知」とは別に位置づけられていて、看護者の実践知が重視されるのと親和的だと感じました。
やがて、人生を語ることが自己教育になると学び、看護者のライフストーリーを基に看護実践能力の生涯にわたる発達の様相を記述する研究をおこないました。

医療安全についての議論は、要因の分析検討、医療者の認識の解明、対策や対応方法の開発、新方法導入の効果測定などが多いように見受けられます。
「人間は間違える」というのは自明であり、それを踏まえて対策が講じられ現場で実践されていることを理解した上で、もう少し違う人間像を別の視点として加えていきたいとも感じます。

医療現場で働く限り、大なり小なり当事者として医療安全上のできごとを経験していくでしょう。
そういう臨床経験の連鎖をもしも誰かにじっくり語ることができれば、語る行為を通して、経験したことの意味をつかめるのではないでしょうか。
語るという実践がリフレクションを生み、その語りを聞くことが自己教育の支援になると思われます。
職業能力の根幹にあるリフレクションを豊かに起動させて医療安全に関する「知」を増やしたいと考えます。