私は、様々な施設で消化器内視鏡検査に携わってきました。その中で、鎮静下で内視鏡検査を受けた患者の転倒など、安全が気に掛かり、このことを研究したいと考えるようになりました。医療安全管理の役割に携わったことはありませんでしたが、広い目線から医療安全を学ぶことができる滋慶医療科学大学大学院に興味を持ち、進学を志しました。

コロナウイルス感染症の流行と重なり、入学式や大半の授業がオンラインでした。研究では鎮静後の患者安全について看護師にインタビューし、質的手法のうちのナラティヴ・アプローチを用いて語りを解釈しました。半分以上のインタビューがリモートになり、調査協力者の表情、語りのニュアンス、双方の距離感を捉えるのが困難な場面もありましたが、鎮静後の看護の実践状況や認識を看護師から直接に詳しく聞き取り、先行研究では言及されていなかった課題を提示することができました。

現在は、救急・HCUで勤務しています。多重業務を口頭指示で受ける場面も多く、連日タイムプレッシャーと処置の安全な遂行に緊張仕切りですが、今後は、自分の職場に安全文化の土壌を少しでも広げられるように学びを活かしていきたいと考えています。