6期生
亀井 章さん
勤務先 | 社会福祉法人青野ヶ原福祉会 特別養護老人ホーム青都荘 |
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職種 | 機能訓練指導員 作業療法士 |
修士課程で培った探究心はどんどん加速している
副施設長をしていた当時に施設長より、リハビリテーションを学び事業を立ち上げてきた経験をここで活かすために、考え方や行動を共にできる人材を育成し、同じ目標に向かうためのチーム構成が重要であること、また今後はどの部署にも管理し運営につなげる能力、つまりマネジメントが欠かせない。そのためこうした多職種協働組織では何事にも安全の視点に立つ考え方が必要であり、「学び続けなさい。」と頂いてきました。つまりそれは施設運営において実践されるサービスと利用者との間にある安全の担保であり、そのための具体的な取り組みの検証と実践の繰り返しは医療と同じく介護老人福祉施設でも重要であることに変わりはありませんが、この業界ではその質に関し最も問われている状況にあることを理解していましたし、当施設でもこれまでの体質からの変革がなされようという時期でもあったため、職場管理者方の応援と、交流のある関係専門学校講師方の多数のご支持、そして恩師であり今となっては先輩となった3期生岸村厚志先生のご活躍を聞き入学を決意しました。忘れてはいけないのは家族の温かな理解でした。皆で悩みましたが、これから当施設や業界でも必要となってくる豊富な知識、また多方面で活躍されている講師陣をはじめ同じ意識をもった学友の構築、また日々学び続けられる人格形成への期待など、これらは今後必ず身となり活躍できることを約束し、最後に背中を押してくれた家族には感謝しかありません。
入学後からは部署ごとのサービス提供における安全管理の客観的確認のため、機能訓練指導員の視点から事故、身体拘束虐待防止、救急法に関連する委員長を兼務し、当施設に最も必要であった、人の動作やそれに応じた介助方法と環境設定、ノンテクニカルスキルの向上、ヒューマンエラーを防止するため互いが補い合えるチーム単位のコミュニケーションについて介入し、学んだ教育を実践してきました。施設内事故のうち転倒事故は介入後、前年比から約半減し維持していることから、これらが活かされたことは言うまでもありません。
在学中は高齢者の排便と栄養状態の関連性について、整腸作用のある食品を使用した群との差を評価する介入研究を実施しました。医療ではなく施設という生活の場は、排泄という結果だけを考えるのではなく、体や心にも負担がないように健康安全を管理する必要があります。それはまさに、安全学の視点に立ったサービスの質の評価と向上の一面と言えるところです。卒後も研究生として在籍し、担当教授をはじめ大学院大学の皆様方には大変お世話になっています。また現在は阪大の栄養に関する研究会や薬学研究の先生方との交流、その他企業との情報共有の機会も増えるなど、修士課程で培った探究心はどんどん加速し、忙しさで充実していますよ。