3期生
真砂 由紀代さん
勤務先 | 医療法人好寿会 美原看護専門学校 |
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職種 | 実習調整者 主任 |
エビデンスに基づいた研究のプロセスが私の大きな財産
平成27年3月に大学院を修了し、早いもので4年近く経ちました。入学のきっかけは、数年前から仕事を継続しながら進学できる大学院を探していた時に、1期生の方から臨地実習におけるインシデントの研究で、インタビューの依頼を受けたことです。以前、「インシデントを体験した学生の心理」をテーマにした論文を投稿していた事でご連絡いただいたのですが、研究計画書の共同研究者が土屋八千代教授であったことに惹かれ、貴学に興味を持ち受験しました。15年程前、自校で医療安全教育を担当することになり、当時は看護学生に対する医療安全の教材も稀少だった頃、土屋先生が看護教育の雑誌に投稿されていた文献が印象的で、数年経ってそのお名前を目にした時の驚きは今も覚えています。
2年間の学生生活を振り返ると、仕事と家事に追われる毎日の中、講義や演習のレポート課題、試験、研究活動をこなすことは思った以上に大変で、時に自分の選択を後悔したこともありましたが、学習したことが成果となり、評価に繋がることを前向きに捉えることで頑張れた気がします。与えられた時間をいかに有意義に活用するのか、その術を身につけたと思います。無事に修了できたのは、諸先生方の温かく細やかなご指導あっての結果ですが、職場や家族の理解とサポートには今も感謝しています。それと共に励ましあって乗り越えてきた仲間との出会いは、私の人生にとって今も貴重な存在になっています。
修了後は、研究生として修士論文をさらに深める機会を持つことができ、医療の質安全学会と日本看護学会での発表と、それぞれの学会誌に論文として掲載していただくことができました。現在はテーマを実践に即した内容に変更し、毎年学会で発表できることを目標に、研究を継続するよう努めています。大学院でエビデンスに基づいた研究のプロセスを学んだ経験は、私にとって大きな財産となりました。まだまだ課題も多いですが、今後も在学中に学んだ自己研鑽に努める姿勢を忘れず、学生にも継承していければと思います。
現在も在学中と同じく看護基礎教育の現場で、大学院で学んだ各分野の専門的な知識や教育方法を活かし体系的な医療安全教育に努めています。現行の看護師学校養成所のカリキュラムでは、学生の看護実践能力を高めるためチーム医療や看護管理と共に、医療安全の基礎的知識を修得することが義務化されています。看護学生の場合、移動動作等の日常生活援助、報告連絡相談に関わること、個人情報の保護等のインシデントが多いので、リスク感性を高められる教育や情報倫理に関する内容の実習前ガイダンスを、学生のレディネスに合わせて段階的に行っています。看護実践能力の一つとして医療安全力を育成するために必要とされる臨床判断能力やコミュニケーション能力を高めることを目標とし、卒業後の臨床の場への架け橋としての役割の一助を担うよう努めたいと思います。