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01. 医療倫理学 ― 平河教授

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医療現場では、患者や家族に、ときにはスタッフにも、さまざまな倫理的問題が起こります。そういうとき、ジレンマに陥って“何を優先すべきか”と迷ったり、問題への対応後も“これで良かったのか”と疑問が残ったりした経験は、臨床家なら誰にもあるのではないでしょうか。

医療倫理学特論では、これら現場で生じる諸問題に関して「倫理的に考えること・議論すること・自分なりの考えをまとめること」の修得を目指しています。

授業では、まず、現場で起こる事象を「倫理的に」読み解くために、「倫理とは何か」という理論的な枠組みを理解します。続いて、さまざまな医療倫理の問題のうち、主に、生殖補助医療、遺伝子医療、認知症とそのケア、安楽死や尊厳死など、生と死に関わる問題を取り上げています。各トピックについて、医療倫理に照らした本質、医療・医学の進歩との連動や近年の発生状況、諸外国における理解や法制など、多面的に検討し、整理して、理解を深めます。毎回、授業の前半ではこれら基本的知識の理解に集中し、後半では質疑応答やディスカッションをとおして意見や情報を交換します。その中で「自分はどう考えるか」を導いていただきたいと思っています。

また、倫理的ジレンマの生じている事例の検討をクラスで共有し、患者や家族の価値・希望はどういうものか、スタッフの考え方は職種によって異なるかなどを話し合います。臨床現場では問題の解決が急がれるかもしれませんが、授業では、事例に沿ってじっくり考えていただきたいと願っています。人命や人権の尊厳、「善さ」「正しさ」などの原理をひとりひとりの人間に当てはめて、この状況に対して医療者として何を大事にしたいか、なぜそう思うのかを見出していきましょう。

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